【建設業向け】原価管理・粗利管理の実践手順|赤字工事をなくす4ステップ|採択率91%の専門家が解説

「今月も売上は悪くないのに、手元にお金が残らない」「どの工事が本当に稼いでいるのか、実はよく分かっていない」——
年商1〜10億円の建設業経営者が抱える、こうした悩みの根本原因は工事別の原価管理・粗利管理の不在にあります。
この記事では、建設業の財務改善の土台となる原価管理・粗利管理の仕組みづくりと実践手順を解説します。
補助金採択率91%・支援60件の専門家が、黒字化率90%を実現した実務ノウハウをお伝えします。
【結論】建設業の原価管理・粗利管理で今すぐ実践すべき4つのステップ
工事別の粗利が見えない状態で経営を続けるのは、赤字工事を量産するリスクと隣り合わせです。
まず取り組むべきは以下の4つです。
- ●STEP1:見積書と実績原価を工事別に対比する仕組みを作る(Excel・会計ソフトで十分)
- ●STEP2:外注費・材料費・直接人件費を工事コードで紐付け集計する
- ●STEP3:月次で「工事別粗利一覧表」を作成・経営会議で確認する
- ●STEP4:粗利率の低い工事の原因を分析し、次回見積・契約条件に反映する
この4ステップを回すだけで、赤字工事の早期発見・再発防止が可能になり、3ヶ月以内にキャッシュフローが改善します。
以下で詳しく解説します。
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工事別原価管理とは?建設業で必須の理由
工事別原価管理とは、受注した工事ごとに売上と原価を紐付けて管理し、工事別の粗利を可視化する仕組みです。
建設業では、同じ「道路舗装工事」でも発注元・工期・施工条件によって粗利率が10%〜40%と大きく変動します。
工事別の粗利が見えない状態で経営を続けると、以下のリスクが生じます。
- ●赤字工事を完工後に知る(手遅れ)
- ●儲かる工事・儲からない工事の判別ができない
- ●追加費用の発生に気づかず、回収できない
- ●値引き交渉の影響を正確に把握できず、利益を失う
💡 当社の支援実績
社外CFO支援で累計10社の財務改善を実施し、黒字化率90%を達成しました。
その中で最も効果が早く現れるのが工事別原価管理の導入です。
ある年商5億円の舗装工事会社では、3ヶ月で赤字工事を5件発見し、見積基準を改善することで翌期の粗利率を8%改善しました。
粗利管理で把握すべき3つのポイントとは?
粗利管理で経営判断に必要な情報は「工事別」「顧客別」「工事種別」の3軸です。
売上だけを見ていても、利益は見えません。
①工事別の粗利率
どの工事が利益を生んでいるか、どの工事が赤字かを把握します。
粗利率=(売上-原価)÷売上×100で計算し、粗利率20%未満の工事は要注意です。
②顧客別の粗利率
売上が大きくても粗利率が低い顧客は、利益を生まない顧客です。
逆に売上は少なくても粗利率が高い顧客は、優良顧客として営業リソースを集中すべきです。
③工事種別の粗利トレンド
季節・発注元(公共/民間)・工事の種類(舗装/土木/解体等)による粗利の変化を把握します。
これにより、どの工事を積極的に受注すべきかの戦略が立てられます。
⚠️ よくある失敗
「売上の大きい顧客=儲かる顧客」と判断してしまうケースです。
実際には値引き要求が多く、追加費用を回収できず、粗利率が5%以下という顧客も少なくありません。
売上ではなく粗利額・粗利率で顧客を評価することが重要です。
原価管理の実践ステップ|4つの手順で始める
原価管理は難しいシステムは不要です。Excelと会計ソフトで十分に実践できます。
以下の4ステップで始めてください。
STEP1:見積書と実際のコストを案件ごとに対比する
見積時点の想定原価と、実際に発生した原価を工事別に並べて比較します。
これにより、見積の甘さ・想定外の追加費用が明確になります。
STEP2:外注費・材料費・人件費(直接費)を工事別に集計する
会計ソフトの補助科目や工事コードを使い、外注費・材料費・直接労務費を工事ごとに紐付けます。
間接費(事務所経費・営業経費)は工事別には配賦せず、全体で管理します。
💡 会計ソフトの活用方法
freeeやマネーフォワードには「補助科目」「プロジェクト」機能があり、工事別に原価を集計できます。
工事コードを発行し、請求書・支払データに紐付けるだけで、自動集計が可能です。
当社の支援先では、導入1ヶ月で工事別粗利が可視化されています。
STEP3:月次で工事別粗利一覧を作成・確認する
毎月の経営会議で、工事別の売上・原価・粗利・粗利率を一覧表にして確認します。
進行中の工事については、完工時点の予測粗利も併せて把握し、赤字の兆候があればすぐに対策を打ちます。
STEP4:粗利率の低い案件の原因を分析し、次回見積に反映する
赤字工事・低粗利工事の原因を現場責任者と共有し、見積基準・契約条件・施工方法を改善します。
この振り返りを繰り返すことで、見積精度が上がり、赤字工事が激減します。
値引きの影響を粗利率で把握する方法
10%の値引きは売上を10%下げるだけではなく、粗利を50%減らす場合があります。
この影響を正確に把握できないと、利益を失います。
例を見てみましょう。
| 項目 | 値引き前 | 10%値引き後 |
|---|---|---|
| 売上 | 1,000万円 | 900万円 |
| 原価 | 800万円 | 800万円 |
| 粗利 | 200万円 | 100万円 |
| 粗利率 | 20% | 11% |
売上は10%減ですが、粗利は50%減、粗利率は20%→11%に激減します。
値引き交渉に応じる前に、必ず粗利への影響額を計算してください。
⚠️ 値引き交渉での判断基準
値引き後の粗利率が15%を下回る場合は、受注しない判断も必要です。
赤字工事を受注すると、売上は上がりますがキャッシュが減少し、資金繰りが悪化します。
当社の支援先では、粗利率15%ルールを設定し、赤字工事を年間8件削減しました。
原価管理を成功させる3つのポイント
原価管理を形骸化させず、経営改善につなげるためのポイントは以下の3つです。
①現場責任者と情報を共有する
原価管理は経理だけの仕事ではありません。
現場責任者・営業担当者が工事別の粗利を把握し、コスト意識を持つことが重要です。
月次会議で工事別粗利を共有し、改善策を現場と一緒に考えます。
②リアルタイムで原価を把握する
完工後に赤字を知っても手遅れです。
工事進行中に週次・月次で原価を集計し、予算オーバーの兆候をキャッチします。
クラウド会計ソフトを使えば、スマホからでも工事別の原価をリアルタイムで確認できます。
③見積精度を継続的に改善する
原価管理の最終目的は見積精度の向上です。
実績原価と見積を比較し、どの項目で差が出たかを分析します。
この振り返りを3ヶ月続けると、見積精度が劇的に改善します。
よくある質問|原価管理・粗利管理のQ&A
むしろ規模が小さいほど1件の赤字工事のダメージが大きいため、早期に導入すべきです。
Excelで十分に管理できます。
ただし、クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード等)を使うと、自動集計・リアルタイム把握が可能になり、効率が格段に上がります。
当社の支援先では、導入後1ヶ月で経理作業時間が50%削減されました。
配賦基準(売上比・工数比等)を設定すると、管理が複雑になり、経営判断を誤るリスクがあります。
工事別には直接費(外注費・材料費・直接労務費)のみを集計してください。
①現場が工事コードを入力していない(仕組みが現場に浸透していない)
②月次で確認していない(作りっぱなしで放置)
③データを経営判断に活用していない(見るだけで終わっている)
原価管理は仕組み作り+運用+改善のサイクルが揃って初めて機能します。
当社の社外CFOサービスでは、運用定着までサポートします。
会計ソフトの設定・工事コードの運用ルール策定・現場への説明を行い、翌月から工事別粗利を可視化できます。
当社の支援では、3ヶ月で黒字化体質に転換した事例が複数あります。
まとめ|原価管理で建設業の利益体質を作る
建設業の財務改善は、工事別の原価管理・粗利管理から始まります。
見積・契約・原価管理の3つを整備することが、最短ルートです。
今すぐ実践すべきアクションは以下の3つです。
- ●工事別に見積と実績原価を対比する仕組みを作る(Excel・会計ソフト)
- ●月次で工事別粗利一覧を作成し、経営会議で確認する
- ●赤字工事の原因を分析し、見積基準・契約条件に反映する
この3つを回すことで、3ヶ月以内にキャッシュフローが改善します。
当社の社外CFO支援では、黒字化率90%を達成しています。
建設業の財務・補助金・融資・キャッシュフロー経営に関するお悩みは、東北の建設業に特化したトリガーコンサルティングにお気軽にご相談ください。
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✍️ 監修者:伊藤翔太(いとう しょうた)
株式会社トリガーコンサルティング代表。中小企業診断士・認定支援機関。東北・宮城を拠点に、建設業を中心とした中小企業の経営支援に従事。補助金採択60件・採択率91%・総額2.1億円、融資支援11件・1.1億円・成功率100%、社外CFO累計10社・黒字化率90%の実績を持つ。社外CFOとして、資金調達から財務改善まで「お金のお困りごとに関する問題解決」を提供している。





