事業継続力強化計画とは?建設業の申請方法・BCP認定のメリットと補助金活用法を解説

「事業継続力強化計画って、大企業のBCPと何が違うの?」「認定を取ると補助金の加点になると聞いたが、どんな書類を作ればいいか」——東北の建設業経営者からこうした声をよく聞きます。東北は2011年の東日本大震災を経験した地域であり、自然災害・感染症・重要インフラ障害への備えは「他人事」ではありません。事業継続力強化計画は、中小企業が防災・減災に取り組む計画を国が認定する制度で、補助金加点・低利融資・信頼向上など多くのメリットがあります。しかも認定取得はBCPより大幅に簡略化されており、申請から認定まで通常30日以内で完了します。この記事では、事業継続力強化計画の基本から、建設業向けの計画書の書き方・申請プロセス・認定後の活用方法まで徹底解説します。
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1. 事業継続力強化計画とは何か
中小企業強靭化法に基づく国の認定制度
事業継続力強化計画とは、2019年に施行された「中小企業強靭化法(中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律)」に基づき、中小企業・小規模事業者が策定した防災・減災の取り組みを国(経済産業大臣)が認定する制度です。
東日本大震災・熊本地震・令和元年台風など、近年自然災害が頻発・激甚化する中で、中小企業が事前の備えを計画的に進めることを後押しするために創設されました。建設業にとっては特に重要な制度です。なぜなら、建設業は災害時の復旧・復興において社会インフラを支える重要な役割を担っており、自社が被災しても事業を継続できる体制を持つことが強く求められるからです。
BCPとの違い——「簡略版BCP」として理解する
「BCP(事業継続計画)」という言葉を聞いたことがある経営者は多いでしょう。BCPは大企業が策定する本格的な事業継続計画で、詳細なシナリオ設定・システム復旧計画・財務影響分析等が含まれ、策定に数ヶ月〜1年かかることもあります。
事業継続力強化計画は、いわば「中小企業版の簡略化されたBCP」です。大企業向けのBCPをそのまま中小企業が作ろうとすると、専門知識と時間が必要で現実的ではありません。事業継続力強化計画は、中小企業が現実的に取り組める範囲で、まず最低限の備えを計画化することを目的にしています。
| 比較項目 | 本格的BCP | 事業継続力強化計画 |
|---|---|---|
| 対象 | 大企業が多い | 中小企業・小規模事業者 |
| 策定期間 | 数ヶ月〜1年 | 1〜2週間 |
| 計画の詳細度 | 高い(詳細なシナリオ) | 低い(最低限の備えを記載) |
| 国の認定 | なし | あり(経済産業大臣) |
| 補助金加点 | なし | あり |
| 費用 | 策定費用がかかることが多い | 原則無料(専門家費用は別途) |
認定を受けると得られる主なメリット
- ●補助金審査での加点:省力化投資補助金・ものづくり補助金・事業再構築補助金等で加点対象
- ●低利融資:政策金融公庫の「中小企業事業継続力強化貸付」で金利引き下げ
- ●損害保険料の割引:損害保険会社によっては保険料の割引が受けられる
- ●信用保証の優遇:信用保証協会の一部優遇措置
- ●社会的信頼の向上:元請け・取引先・金融機関からの評価向上
- ●経営者・従業員の防災意識向上:計画策定プロセスを通じた組織全体の意識改革
💡 省力化補助金の採択率向上に直結
省力化投資補助金(一般型)の審査では、「事業継続力強化計画の認定」が加点項目の一つです。省力化補助金の申請を予定している建設業経営者は、申請前に認定を取得しておくことで採択率を高められます。
2. 東北の建設業が事業継続力強化計画を持つべき理由
東北は日本有数の自然災害リスク地域
東北は日本の中でも自然災害リスクが高い地域の一つです。2011年の東日本大震災(マグニチュード9.0・津波)を経験した東北の建設業経営者の多くが、「もし次の大地震が来たとき、会社は続けられるか」という問いを持っています。
- ●地震・津波:東日本大震災での甚大な被害経験。宮城沖・三陸沖での地震リスクは今後も継続
- ●水害:令和元年東日本台風(台風19号)による宮城・岩手・福島での河川氾濫・土砂災害
- ●豪雪:秋田・山形・青森では記録的な大雪による工事停止・交通障害
- ●感染症:新型コロナウイルスでの現場停止・資材不足の経験
建設業は災害時の「インフラ復旧役」——自社の備えが地域を守る
東日本大震災の復旧・復興において、地元の建設業者が最前線で道路・橋梁・住宅の復旧に取り組みました。しかし、自社が被災して人員・機材・資金が失われると、地域の復旧に貢献できません。建設業が自社の事業継続力を強化することは、地域社会への貢献でもあります。
近年では、地方自治体が発注する公共工事の入札参加資格において、「事業継続力強化計画の認定」や「BCP策定の有無」が評価項目に加えられるケースが増えています。認定取得が受注競争力の向上にも直結します。
補助金採択率の向上
省力化投資補助金・ものづくり補助金など主要補助金の加点項目に「事業継続力強化計画の認定取得」が含まれています。認定取得は無料・申請から30日以内で完了するため、費用対効果が非常に高い準備です。
3. 申請の対象者・対象要件
対象者:中小企業・小規模事業者
中小企業強靭化法に基づく中小企業者・小規模事業者が対象です。建設業の場合は以下の基準を満たす会社が対象です。
| 区分 | 資本金基準 | 従業員数基準 |
|---|---|---|
| 中小企業者 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 小規模事業者 | — | 20人以下 |
単独計画と連携計画
事業継続力強化計画には「単独計画」と「連携計画」の2種類があります。
- ●単独計画:1社単独で計画を策定・申請する。最も一般的な申請形式
- ●連携計画:複数企業が共同で計画を策定・申請する。サプライチェーン全体での災害対応や、中核企業と取引先が一体で策定するケースがある
建設業では元請け・下請けの関係が強く、連携計画として協力会社と一緒に策定することで、災害時の相互支援体制を構築できます。まず単独計画から始めることが現実的です。
4. 計画書の構成と各項目の書き方
計画書の指定様式(ガイドブックの活用)
中小企業庁が「事業継続力強化計画策定の手引き」を公開しており、計画書の指定様式(Wordファイル)もダウンロードできます。記載項目は以下の通りです。
- 1事業の概要(会社名・業種・事業内容・所在地等)
- 2リスクの確認(どんな自然災害・感染症リスクがあるか)
- 3初動対応(災害発生直後に行う対応)
- 4事業継続のための対策(ヒト・モノ・カネ・情報の確保)
- 5事前対策の実施計画(いつまでに何をするか)
- 6計画の見直しと浸透(いつ見直し・社員に共有するか)
項目①:事業の概要
会社の基本情報を記載します。事業内容は「建設業(○○工事業)」と明記し、主な業務内容・受注先・施工エリアを記載します。
項目②:リスクの確認——自社に関係する自然災害を特定する
この項目では、「自社の拠点・事業エリアに影響する自然災害等のリスク」を確認・整理します。東北の建設業では以下のリスクを検討します。
地震・津波リスク
ハザードマップ(市区町村のウェブサイトで公開)で、自社の事務所・資材置き場・機械保管場所の震度・液状化・津波浸水リスクを確認します。
- ●自社事務所が位置する地域の想定震度(震度5強以上で業務影響が出る可能性が高い)
- ●沿岸部・河川沿いの事業所・保管場所の津波・浸水リスク
- ●資材置き場・重機保管場所の液状化リスク
水害・土砂災害リスク
河川の浸水想定区域・土砂災害警戒区域を確認します。東北では令和元年台風19号による甚大な水害被害が発生したため、このリスクは特に重視すべきです。
豪雪リスク(東北特有)
東北(特に内陸部・日本海側)では豪雪による工事停止・交通障害・屋根の雪害リスクがあります。冬季の工事停止が長期化した場合の資金繰り・人員管理への影響を事前に検討します。
感染症リスク
新型コロナウイルスの経験を踏まえ、感染症拡大時の建設現場への影響(工事停止命令・作業員の感染・資材不足)を想定します。
項目③:初動対応——災害発生直後の行動指針
災害発生直後(24〜72時間以内)に何をするかを明確にします。建設業での初動対応の具体的な記載例を示します。
発生直後(0〜1時間)の対応
- ●全従業員・現場作業員の安否確認(連絡ツール:○○を使用)
- ●事業所・機材・車両の被害状況確認
- ●進行中の工事現場の安全確保(作業員の避難・現場の閉鎖)
- ●経営者・管理者の緊急連絡先リストの確認
発生後1〜24時間の対応
- ●被害状況の取りまとめと優先順位の整理
- ●重要取引先(元請け・発注者)への被害報告と工期・納期への影響確認
- ●金融機関への連絡(緊急融資・返済猶予の相談)
- ●保険会社への連絡・損害申告の開始
発生後24〜72時間の対応
- ●事業継続可能な業務と停止が必要な業務の仕分け
- ●被災した設備・機材の代替手段の確保(レンタル・他社からの借用)
- ●従業員の勤務体制の再編(被災した社員の支援・業務の一時停止)
- ●自治体・国土交通省への被害報告と復旧工事への協力体制の確認
項目④:事業継続のための対策——ヒト・モノ・カネ・情報を確保する
ここが計画書の核心部分です。災害時にも事業を継続するために、「ヒト(人員)」「モノ(設備・資材)」「カネ(資金)」「情報(データ・連絡手段)」の確保策を記載します。
ヒト(人員)の確保策
- ●緊急連絡体制の整備:全従業員・現場作業員の緊急連絡先リスト(本人+家族)を作成し、年1回更新する
- ●安否確認システムの導入:安否確認サービス(○○社のサービス等)を導入し、地震発生時に自動で安否確認メールを送信する体制を構築する
- ●多能工化:複数の業務をこなせる技術者を育成し、特定の技術者が不在でも業務を継続できる体制を作る
- ●協力会社との相互支援協定:近隣の建設業者と「相互応援協定」を締結し、被災時に人員・機材を融通し合う体制を構築する
モノ(設備・資材・データ)の確保策
- ●重要機材のリストアップと保管場所の確認:重機・測量機器・車両の保管場所が浸水・津波リスクのない場所にあるか確認し、必要に応じて移動・高台保管の計画を策定する
- ●重要資料のバックアップ:工事図面・契約書・財務データ等の重要書類をクラウド(Google Drive・Dropbox等)にバックアップし、事務所が被災しても取り出せる状態にする
- ●最低限の資材備蓄:業務継続に必要な最低限の資材・部品・燃料を確保しておく
- ●ICT機器の保護:施工管理システム・測量データ等はクラウド上に保存し、PCが壊れても業務を継続できる体制を整える
カネ(資金)の確保策
災害時の資金確保は、事業継続における最重要課題の一つです。「お金がないから事業を再開できない」という状況を回避するための事前準備を記載します。
- ●緊急預金(キャッシュバッファー)の確保:月商の2〜3ヶ月分の現預金を常に維持する目標を設定する。東北の建設業は冬季の資金需要も考慮し、3〜4ヶ月分が安全水準
- ●融資枠の事前確保:日本政策金融公庫の「災害対応融資」・地元金融機関の「緊急融資枠」を事前に把握しておく。業績好調時に当座貸越枠を確保しておくことが最善策
- ●事業継続に必要な資金の試算:被災後から事業再開まで○ヶ月かかると仮定した場合の必要資金(固定費+復旧費用)を試算し、その額を確保する計画を持つ
- ●損害保険の見直し:事業用の損害保険(火災保険・機械保険・賠償保険等)の補償内容を確認し、不足があれば見直す
🚨 資金手当てが最も重要
東日本大震災の被災建設業者の事業再開を阻んだ最大の要因は「資金不足」でした。設備が被災しても、資金があれば代替機材をレンタルし、事業を再開できます。逆に、設備が無事でも資金がなければ再開できません。事業継続計画における資金確保策は、最も重要な項目です。
情報(通信・データ)の確保策
- ●連絡手段の多重化:電話(固定・携帯)・メール・SNS(LINE)・衛星電話等、複数の連絡手段を確保する
- ●重要データのクラウドバックアップ:施工管理データ・財務データ・顧客情報・工事図面をクラウドに保存し、オフィスが被災しても業務を継続できる状態にする
- ●重要書類のデジタル化:紙の工事書類・契約書を電子化し、クラウドで管理する
- ●非常用電源の確保:停電時にも通信・パソコン作業を継続できるよう、非常用バッテリー・発電機を確保する
項目⑤:事前対策の実施計画——いつまでに何をするか
項目④で定めた対策を「いつまでに実施するか」のスケジュールを記載します。すべてを一度に実施するのではなく、優先度の高いものから計画的に取り組みます。
| 優先度 | 取り組み内容 | 実施期限 | 担当者 |
|---|---|---|---|
| 高 | 安否確認システムの導入 | 令和○年○月まで | 総務担当 |
| 高 | 緊急連絡先リストの整備・共有 | 令和○年○月まで | 代表 |
| 高 | 重要データのクラウドバックアップ開始 | 令和○年○月まで | IT担当 |
| 高 | 現預金残高の安全水準設定(月商2ヶ月分以上) | 令和○年○月まで | 代表(外部CFO支援) |
| 中 | 損害保険の見直し | 令和○年○月まで | 代表・保険代理店 |
| 中 | 重機・機材の保管場所のリスク確認・改善 | 令和○年○月まで | 工事担当 |
| 中 | 協力会社との相互応援協定の締結 | 令和○年○月まで | 代表 |
| 低 | 非常用電源(発電機)の確保 | 令和○年○月まで | 総務担当 |
項目⑥:計画の見直しと浸透——継続的な改善のための仕組み
- ●見直しのタイミング:毎年○月に計画を見直す(組織変更・リスク環境の変化に対応)
- ●社員への浸透:年1回の防災訓練・安否確認訓練を実施する
- ●改訂の記録:計画の改訂履歴を記録し、最新版が常に参照できる状態を維持する
5. 申請プロセスの全体フロー
申請から認定まで最短30日
事業継続力強化計画の申請プロセスは非常にシンプルで、計画書を作成して電子申請または郵送するだけです。
申請に必要な書類
- ●事業継続力強化計画(申請書):指定様式(Wordファイル)に記載
- ●直近の確定申告書(法人の場合は法人税申告書):1期分
- ●(連携計画の場合)連携する全事業者の情報:各社の申告書等
💡 建設業の申請先について
建設業は中小企業庁(経済産業省)への申請です(経営力向上計画は国土交通省への申請でしたが、事業継続力強化計画は経済産業省です)。複数の業種で事業を行っている場合は、主たる業種の所管省庁への申請となります。
電子申請の手順
6. 認定後の活用方法
認定書の保管と活用
認定通知書が届いたら、コピーを複数枚取り、以下の場面で活用します。
- ●補助金申請時:省力化投資補助金・ものづくり補助金等の申請書類に添付(加点)。採択率向上に直結
- ●政策金融公庫への融資申請:「中小企業事業継続力強化貸付」の申請に使用。通常より低い金利で融資が受けられる
- ●損害保険の割引申請:損害保険会社に認定書を提示し、保険料割引を申請する
- ●自治体への入札申請:BCP策定済みとして評価される自治体の入札参加資格審査で有利に働く
- ●元請けへの提示:「事業継続力強化計画の認定取得」をPRし、協力会社としての信頼を向上させる
計画の実行と定期見直し
認定取得後は計画を実際に実行することが重要です。計画書に記載した事前対策(安否確認システムの導入・クラウドバックアップ・緊急連絡先の整備等)を期限通りに実施します。
また、計画は毎年見直すことが推奨されています。組織変更・リスク環境の変化・訓練での気づきを反映させ、常に「実際に使える計画」に更新します。
⚠️ 計画は「作って終わり」ではない
事業継続力強化計画の最大の価値は「書類を作ること」ではなく「実際の災害時に事業を継続できること」です。計画書を作成し、訓練を実施し、毎年見直すことで、初めて本当の意味での事業継続力が高まります。
有効期限と更新申請
事業継続力強化計画の認定の有効期限は5年です。5年が経過すると認定の効力が失われるため、継続して活用したい場合は更新申請が必要です。更新申請では、計画期間中の取り組み実績と次の5年間の新たな計画を提出します。
7. 建設業特有の計画書作成のポイント
建設業のリスクは「現場」と「本社」の両面で考える
建設業では、事務所(本社)と建設現場(複数の工事現場が同時に進行している)の両方がリスク対象となります。計画書では両面を意識した対策を記載します。
現場での対策
- ●工事現場ごとの緊急避難計画(避難場所・避難経路の確認)
- ●現場代理人と本社の緊急連絡手順
- ●工事中断時の安全確保(仮囲いの補強・危険物の管理等)
- ●第三者への被害防止措置(工事現場の一時閉鎖手順)
本社・事業所での対策
- ●事務所の耐震性確認と家具の転倒防止
- ●重機・機材保管場所の浸水・津波リスク確認
- ●重要書類・財務データのバックアップ
- ●停電時の業務継続対策(非常用電源・ノートPC等)
東北特有の「豪雪」「冬季工事停止」へのBCP対策
東北の建設業に特有なのが冬季の工事停止リスクです。通常の防災計画では取り上げられにくいですが、東北では「豪雪による長期工事停止→資金繰り悪化→事業継続困難」という流れが現実のリスクです。
- ●冬季資金確保計画:毎年10〜11月に翌冬の資金手当て(冬越し資金)を確保する。業績好調な秋に融資枠を確保しておく
- ●豪雪時の業務継続計画:除雪作業・設備保護・従業員の安全確保手順を明記する
- ●冬季代替業務の確保:屋内工事・リフォーム・設計業務等、冬季でも継続できる業務を増やす計画を持つ
💡 冬季の資金確保は外部CFOが最も得意とする領域
東北の建設業で毎年繰り返す「冬の資金難」は、年間CF計画と秋の融資枠確保によって解決できます。事業継続力強化計画の資金確保策として「月商3〜4ヶ月分の現預金維持」「秋の融資枠確保」を記載することで、補助金加点と実際の資金安定を同時に実現できます。
協力会社との「相互応援協定」の締結
東北の建設業では、災害時に協力会社間で人員・機材・資材を融通し合う「相互応援協定」の締結が有効な事業継続策です。計画書に「○社と相互応援協定を締結する計画」を記載し、実際に協定書を締結することで計画の実効性が高まります。
相互応援協定の内容として記載すべき項目:①応援要請の発動条件(被災の基準)、②提供可能な人員・機材の内容、③費用負担の方法、④秘密保持・情報共有のルール。
8. 計画書に記載する「資金確保策」の具体的な書き方
なぜ資金確保策が重要なのか
事業継続力強化計画の「事業継続のための対策」の中で、最も実務的に重要なのが「資金の確保」です。しかし、多くの計画書で最も記載が薄い部分でもあります。
東日本大震災後の調査では、事業再開できた企業と廃業した企業の差は「資金力」にあったと報告されています。設備が被災しても、資金があれば代替手段で事業を再開できます。資金確保策を具体的に記載することは、計画の実効性を高め、審査での評価向上にも寄与します。
資金確保策の具体的な記載例
①現預金残高の目標設定
「当社は月商の○ヶ月分(○万円)の現預金を常時維持することを目標とする。毎月の月次財務レビューで残高を確認し、目標を下回った場合は金融機関への融資相談を即時開始する」
②融資枠の事前確保
「主要取引金融機関(宮城第一信用金庫・○○銀行)と「緊急時の融資対応」について事前に協議し、当座貸越枠○百万円を確保する計画を令和○年○月までに実施する」
③損害保険の充実化
「事業用財産(重機・機材・事務所等)の損害保険の補償内容を年1回見直す。特に重機の機械保険・物損保険が適切な保険金額で設定されているか確認する」
④資金繰り予測の整備
「外部CFO(株式会社トリガーコンサルティング)と連携し、向こう6ヶ月の資金繰り表を月次で更新する体制を構築する。自然災害等の非常事態を想定した最悪シナリオでの資金繰りシミュレーションを年1回実施する」
9. 認定支援機関のサポートを活用する
認定支援機関とは
中小企業庁が認定した「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」は、事業継続力強化計画の作成・申請をサポートする機関です。中小企業診断士・税理士・金融機関等が認定されています。
認定支援機関に依頼するメリット
- ●計画書の記載水準を「審査通過レベル」に引き上げてくれる
- ●東北特有のリスク(豪雪・津波等)を適切に反映した計画書が作れる
- ●補助金申請・融資申請と連動した計画設計ができる
- ●書類の形式確認・不備防止ができる
- ●計画策定後の実行支援・見直しサポートも対応できる
🏢 トリガーコンサルティングの事業継続力強化計画サポート
- ●中小企業診断士が在籍する認定支援機関として計画書を作成
- ●東北の自然災害リスク(地震・津波・豪雪)に精通した計画設計
- ●資金確保策(月次資金繰り管理・融資枠確保)を具体的に設計(外部CFOとして伴走)
- ●省力化投資補助金等の補助金申請と一体で設計(採択数60件・採択率91%・総額2.1億円)
- ●計画認定後の実行支援・年次見直しサポート
- ●協力会社との相互応援協定締結のアドバイス
10. 経営力向上計画との同時取得で最大の加点効果を得る
2つの認定を同時取得するメリット
「経営力向上計画」と「事業継続力強化計画」の2つの認定を同時に取得することで、補助金審査での加点効果が最大化されます。
| 認定制度 | 補助金での加点 | 申請先 | 申請から認定まで |
|---|---|---|---|
| 経営力向上計画 | 省力化補助金・ものづくり補助金等で加点 | 国土交通省(建設業) | 30〜60日 |
| 事業継続力強化計画 | 省力化補助金・ものづくり補助金等で加点 | 経済産業省(中小企業庁) | 15〜30日 |
| 両方取得 | 両方の加点が適用 | それぞれ申請 | 並行して取得可能 |
省力化投資補助金の審査では、両方の認定を持っていることでより多くの加点を得られます。補助金公募の2〜3ヶ月前から両方の申請を並行して進めることで、公募開始時に両方の認定書を手元に揃えられます。
同時申請のスケジュール設計
11. よくある質問Q&A
12. 事業継続力強化計画の策定を経営改善の機会にする
「防災計画」を「経営改善計画」として活用する
事業継続力強化計画の策定プロセスは、経営改善の絶好の機会でもあります。自社のリスクを洗い出す過程で、「保険が不足していた」「データバックアップができていなかった」「緊急連絡先が整備されていなかった」という気づきが生まれます。
さらに、資金確保策の検討(現預金の安全水準設定・融資枠の確保)は、そのまま日常の資金繰り管理の改善につながります。「事業継続力強化計画を作ったことで、普段の財務管理が見直せた」という建設業経営者の声を多く聞きます。
外部CFOサービスとの連動
トリガーコンサルティングの外部CFOサービスでは、事業継続力強化計画の策定・申請を経営改善活動の一環として位置づけています。計画書に盛り込んだ「月次資金繰り管理の整備」「融資枠の確保」「クラウドバックアップの導入」は、そのまま外部CFOとして毎月支援する内容と連動しています。
事業継続力強化計画の認定取得 → 補助金申請(加点で採択率向上) → 省力化設備の導入 → 生産性向上・事業継続力の強化 → 万が一の災害時も事業を継続できる体制——このサイクルを一体で支援します。
まとめ
事業継続力強化計画は、中小企業が防災・減災の取り組みを計画化し、国(経済産業大臣)から認定を受ける制度です。申請無料・認定まで15〜30日と手軽に取得できます。
建設業では地震・津波・水害・豪雪・感染症のリスクを想定した計画が必要です。特に東北では豪雪・冬季工事停止に伴う資金繰りリスクへの対策が重要です。
計画書の核心は「ヒト(安否確認・多能工化)」「モノ(機材保管・データバックアップ)」「カネ(現預金確保・融資枠確保)」「情報(通信の多重化・クラウド化)」の4つの確保策です。
省力化投資補助金・ものづくり補助金等の補助金審査で加点対象になるため、補助金申請前に認定取得することで採択率が向上します。経営力向上計画との同時取得が最大の加点効果をもたらします。
計画策定から申請・認定後の実行支援まで、トリガーコンサルティングが一貫してサポートします。まずはLINEまたは無料相談でお気軽にご連絡ください。
🏢 株式会社トリガーコンサルティング|無料相談受付中
東北の建設業に特化した財務コンサルティング会社です。事業継続力強化計画の認定取得から、補助金・融資・キャッシュフロー経営まで一体でサポートします。
✅ 補助金支援実績:採択数60件・採択率91%・総額2.1億円
✅ 融資支援:支援数11件・総額1.1億円・成功率100%
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【この記事の監修】
株式会社トリガーコンサルティング 代表取締役 伊藤翔太
経済産業省登録 中小企業診断士 / 認定支援機関登録
宮城県を中心に、東北の建設業に特化した財務コンサルティングを提供。
補助金支援・融資支援・キャッシュフロー経営(管理会計)の導入を専門領域とする。
【当社の特徴】
・補助金支援実績:採択数60件・採択率91%・総額2.1億円
・融資支援:支援数11件・総額1.1億円・成功率100%
・他行での融資断り案件を当社独自ノウハウで融資成立(融資額1,000万円)
・財務コンサル:累計15社・現在支援先6社・黒字化率100%
・営業損失300万円の会社を3ヶ月で黒字化達成
・経営支援実績:200社超





