経営力向上計画とは?建設業の申請方法・メリット・省力化補助金との活用法を完全解説

「経営力向上計画って聞いたことがあるけれど、何をするものなのかよくわからない」
「認定を取ると補助金審査で有利になると聞いたが、どう申請すればいいのか」
——東北の建設業経営者からこうした声をよく聞きます。
経営力向上計画は、申請すれば中小企業庁に認定してもらえる経営計画で、固定資産税の軽減・補助金の加点・金融機関からの信頼向上など多くのメリットがあります。
この記事では、経営力向上計画の基本から、建設業向けの計画書の書き方・申請プロセス・認定後の活用方法まで、実務に即した形で徹底解説します。
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1. 経営力向上計画とは何か
中小企業等経営強化法に基づく国の認定制度
経営力向上計画とは、「中小企業等経営強化法」に基づいて、中小企業・小規模事業者が自社の経営力を向上させるための計画を策定し、国(主務大臣)から認定を受ける制度です。2016年に創設され、以来多くの中小企業が活用しています。
制度の目的は「人材育成・コスト管理・設備投資・IT活用・財務管理・経営改善」などの取り組みを通じて、中小企業の経営基盤を強化することです。単なる書類手続きではなく、「自社の経営力を体系的に整理し、強化の方向性を明確にする」ことが本質です。
2. 建設業が経営力向上計画を申請すべき理由
理由1:税制上の優遇措置(中小企業経営強化税制)を受けられる
認定を受けた計画に基づいて一定の設備(機械装置・ソフトウェア・建物附属設備など)を取得すると、取得価額の全額を初年度に経費計上できる「即時償却」、または取得価額の10%(資本金3,000万円超は7%)を法人税から直接差し引ける「税額控除」のいずれかを選択して適用できます。
初期投資の回収期間を短縮し、キャッシュフローを大幅に改善することが可能です。
理由2:政策金融公庫の低利融資・信用保証の特別枠を活用できる
日本政策金融公庫等において、基準利率から最大0.9%引き下げられた低利融資を受けることができます。また、民間金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による信用保証枠を別枠で確保(通常の最大倍額など)したり、保証枠を拡大したりできるため、より積極的な資金調達が可能になります。
理由3:補助金申請時の加点で採択率が上がる
「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金(一部の枠)」、「事業承継・引継ぎ補助金」などの審査において、認定を受けていることが加点評価の対象となります。加点項目を確保することで、返済不要の補助金を獲得できる可能性を高められます。
理由4:事業承継・M&Aをスムーズに進める法的支援を受けられる
事業承継やM&Aを行う際に、不動産の権利移転に係る登録免許税や不動産取得税の軽減措置が受けられます。さらに、合併や事業譲渡における許認可承継の手続きが特例により簡素化され、円滑な事業承継を後押しします。
理由5:経営の「見える化」と対外的な信頼向上につながる
計画を策定するプロセス自体が、自社の経営課題や成長ロードマップを明確にするツールとなります。また、「国に事業計画の信頼性が認められた」という実績は、金融機関や取引先からの信用力向上にも寄与します。
3. 申請の対象者と対象要件
対象者:中小企業・小規模事業者
中小企業等経営強化法に基づく中小企業者・小規模事業者であれば、ほぼすべての業種が対象です。建設業の場合の要件は以下の通りです。
| 区分 | 資本金基準 | 従業員数基準 |
|---|---|---|
| 中小企業者 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 小規模事業者 | — | 20人以下 |
対象となる取り組み(経営力向上のための活動)
計画に盛り込める取り組みは幅広く、建設業では以下のような取り組みが対象になります。
- ●人材育成・確保:技術者育成プログラム・資格取得支援・採用強化計画
- ●コスト管理:工事別原価管理の導入・管理会計の整備・原価低減活動
- ●設備投資:ICT建設機械の導入・ドローン測量システム・施工管理システム
- ●IT活用:施工管理のデジタル化・BIM/CAD導入・クラウド化
- ●財務管理:資金繰り管理の強化・キャッシュフロー経営の導入
- ●経営改善:工事種別の採算管理・不採算工事の排除・粗利率改善
- ●新分野展開:ドローン点検サービス・リノベーション事業の拡大
⚠️ 計画の「実効性」が重要
経営力向上計画は「やると言ったことをきちんと実行する」ことが前提の制度です。申請・認定取得がゴールではなく、認定後に計画を実際に遂行することが求められます。形式的な申請は避け、本当に取り組む内容を計画に盛り込んでください。
4. 計画書の構成と各項目の書き方
指定様式に記載する内容(全6項目)
経営力向上計画の計画書は指定の様式(Word形式)が用意されています。記載項目は以下の6つです。
- 1事業者の概要(会社名・所在地・業種・設立年・資本金・従業員数等)
- 2現状認識(自社の強み・弱み・事業環境・課題)
- 3経営力向上の目標(数値目標と達成期間)
- 4経営力向上のための取り組みの内容(具体的な施策)
- 5経営力向上を実施するために必要な資金の額およびその調達方法
- 6事業期間(計画期間:3〜5年)
項目①:事業者の概要
会社の基本情報を正確に記載します。業種コード(日本標準産業分類)の確認が必要です。建設業の主な業種コードは以下の通りです。
| 業種 | 業種コード |
|---|---|
| 総合工事業(土木工事等) | D06 |
| 総合工事業(建築工事等) | D07 |
| 設備工事業 | D09 |
| 職別工事業(大工・左官等) | D08 |
項目②:現状認識——「強み・弱み・機会・脅威」を整理する
この項目が計画書全体の土台になります。自社の現状を客観的に分析します。建設業での具体的な記載例を示します。
強み(自社の競合優位性)の記載例
- ●地域に根ざした30年以上の施工実績と元請け・発注者との信頼関係
- ●一級建築士・施工管理技士等の資格保有者が○名在籍する技術力
- ●宮城・岩手の公共工事入札参加資格を保有し、安定した公共工事受注基盤がある
- ●自社機械・重機を保有しているため外注費を抑えた施工が可能
弱み(解決すべき課題)の記載例
- ●測量・施工管理のデジタル化が遅れており、競合他社との生産性差が拡大しつつある
- ●熟練技術者の平均年齢が○歳と高く、後継者育成が十分でない
- ●工事別原価管理が整備されておらず、採算性の低い工事を識別できていない
- ●冬季の工事停止期間の資金繰り管理が感覚的で、計画的な資金手当てができていない
機会(外部環境でのプラス要因)の記載例
- ●東北のインフラ老朽化・維持管理工事の増加により、維持補修工事の需要が拡大している
- ●国のICT活用工事推進政策により、ICT対応業者への優遇が広がっている
- ●省力化投資補助金等の設備投資支援制度を活用できる環境にある
脅威(外部環境でのマイナス要因)の記載例
- ●建設業の担い手不足が深刻化し、優秀な技術者の採用コストが年々上昇している
- ●資材価格(鉄鋼・コンクリート・木材)の高騰が続き、工事原価を押し上げている
- ●2024年問題(時間外労働上限規制)により工期管理がより厳しくなった
項目③:経営力向上の目標——数値目標を設定する
この項目では、計画期間終了時点での「数値目標」を設定します。数値目標は主に「労働生産性」で設定することが一般的です。
💡 労働生産性の計算式
労働生産性 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費 ÷ 労働投入量(労働時間数または従業員数)。計画書では「○年間で労働生産性を○%向上させる」という形で記載します。年平均3%以上の向上を目標とするケースが多いです。
建設業での数値目標の記載例:
- ●計画期間(3年)終了時に労働生産性を現状比15%向上させる(年平均5%向上)
- ●完成工事総利益率(粗利率)を現状の○%から○%に改善する
- ●工事別原価管理の導入により、不採算工事の割合を○%から○%以下に削減する
- ●ICT建設機械の導入により、重機オペレーター1名当たりの施工面積を○%向上させる
項目④:経営力向上のための取り組みの内容——具体的な施策を記載する
この項目が計画書の核心です。「何を・いつまでに・どのように実施するか」を具体的に記載します。建設業での取り組みの書き方例を詳しく解説します。
取り組み①:管理会計の導入(コスト管理の強化)
現状の課題:現在の会計処理は税務申告用の財務会計のみで、工事別の採算管理(管理会計)が整備されていない。どの工事で利益が出てどの工事が赤字かが把握できていない状態。
取り組みの内容:外部CFOを活用した管理会計の導入。工事別の受注額・原価・完成工事総利益・粗利率を月次で集計するExcelシートを整備し、毎月の定例会議で工事別採算を確認するルーティンを構築する。初年度は仕組みの整備、2年度以降は運用定着と改善を図る。
目標:計画期間終了時(3年後)に工事別粗利率の把握率100%・不採算工事の排除により会社全体の粗利率を○%向上させる。
取り組み②:ICT化・省力化投資(設備・IT活用)
現状の課題:測量作業に複数名のスタッフが長時間従事しており、人手不足と高齢化により対応能力が低下しつつある。ICT未活用のため、競合他社との生産性差が拡大している。
取り組みの内容:省力化投資補助金を活用して、ドローン測量システム(RTK-GNSSドローン+点群処理ソフト)を導入する。並行して、クラウド型施工管理システムを導入し、現場・事務所間の情報共有をリアルタイム化する。導入後1ヶ月以内にオペレーター研修を実施し、全技術者が活用できる体制を整える。
目標:ドローン測量システム導入により測量工数を現状比80%削減(3名×2日→1名×半日)。施工管理システム導入により事務作業時間を週○時間削減。
取り組み③:人材育成計画(人材の育成・確保)
現状の課題:技術者の高齢化が進み、若手技術者の計画的な育成ができていない。資格取得支援の仕組みがなく、個人任せになっている。
取り組みの内容:資格取得支援制度を整備する(受験費用・合格奨励金の支給)。年間の研修計画を策定し、若手技術者が3年以内に施工管理技士補・2級施工管理技士を取得できるよう体系的に支援する。ICT機器の操作研修を年2回実施し、全技術者がドローン・施工管理システムを活用できる技術水準を維持する。
取り組み④:財務管理の強化(資金繰り管理・キャッシュフロー経営)
現状の課題:資金繰り管理が月末残高の確認のみで、将来の資金不足を予測する仕組みがない。東北特有の冬季工事停止時の資金手当てが感覚的で、毎年冬に資金繰りが苦しくなる状態が続いている。
取り組みの内容:月次の資金繰り表(向こう6ヶ月の入出金予測)を整備し、毎月1回の財務レビューミーティングを実施する。年間CFサイクル(春・秋繁忙期→冬閑散期)を考慮した年間資金計画を毎年11月に策定し、冬越し資金を秋に確保する体制を構築する。
項目⑤:必要な資金の額とその調達方法
計画を実施するために必要な資金と、その調達方法を記載します。
- ●設備投資資金(ICT機器・施工管理システム等):○万円。省力化投資補助金○万円+自己資金○万円+金融機関融資○万円で調達
- ●運転資金(管理会計導入・研修費用等):○万円。自己資金で対応
- ●資金調達の見通し:主要取引銀行(○○銀行・宮城第一信用金庫)との取引実績があり、経営力向上計画の認定を活用した低利融資の申請を予定している
5. 申請プロセスの全体フロー
申請から認定まで30〜60日が目安
経営力向上計画の申請プロセスは、補助金申請と比べてシンプルで、書類の準備から認定取得まで通常30〜60日で完了します。
申請に必要な書類一覧
- ●経営力向上計画(申請書):指定様式に記載(Wordファイル)
- ●直近の確定申告書(法人の場合は法人税申告書):1期分(直近)
- ●履歴事項全部証明書:発行から3ヶ月以内のもの
- ●設備投資を含む場合:工業会証明書・投資計画書等:先端設備等導入計画と同時申請する場合に必要
💡 認定支援機関のサポートを活用する
中小企業診断士・税理士・金融機関などの「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」は、経営力向上計画の作成・申請をサポートしています。トリガーコンサルティングは認定支援機関として、計画書の作成から申請まで一貫してサポートします。
電子申請の方法
2022年以降、経営力向上計画の申請は電子申請が可能になっています。jGrantsシステムを使って申請できます。GbizIDプライムがある場合は電子申請が便利です。紙での郵送申請も引き続き可能です。
6. 認定後にやるべきこと
認定書の管理と活用
認定通知書が届いたら、コピーを複数枚取り、以下の場面で積極的に活用します。
- ●補助金申請時:省力化投資補助金・ものづくり補助金等の申請書類に添付(加点)
- ●金融機関への提出:政策金融公庫・信用保証協会の特別融資制度の申請時に提出
- ●固定資産税軽減の申請:先端設備等導入計画と合わせて市区町村に申請
- ●取引先・元請けへの提示:「経営力向上計画の認定企業」としてPRに活用
計画の実行と定期的な進捗確認
認定を受けた計画は、実際に実行することが求められます。計画期間中(3〜5年)に計画通りの取り組みを進め、年次の進捗を記録しておきましょう。計画の大幅な変更が生じた場合は、計画変更の申請(変更認定申請)が必要です。
⚠️ 「計画を作って終わり」にしない
経営力向上計画の最大の目的は「経営力の実際の向上」です。認定取得だけを目的にして計画書を作り、実行しない場合、制度の趣旨に反します。計画を実行し、数値目標を達成することで、本当の意味での経営強化につながります。
先端設備等導入計画との組み合わせで固定資産税を軽減する
経営力向上計画の認定と合わせて、「先端設備等導入計画」の認定を市区町村から取得することで、対象設備の固定資産税が3年間1/2に軽減されます(令和5年度以降は条件変更あり・最新情報を確認)。
対象となる設備の条件:①労働生産性向上に資する設備であること、②取得価額が一定額以上(機械装置は160万円以上等)であること、③製造後一定年数以内であること、④工業会等による証明を取得していること。
7. 建設業特有の計画書作成のポイント
建設業ならではの「強み」の記載方法
建設業の経営力向上計画では、業種固有の強みを的確に表現することが重要です。
- ●公共工事受注実績の具体的な記載(地域密着・実績年数・受注実績金額等)
- ●保有資格・許可の明示(建設業許可の種類・一級施工管理技士の在籍数等)
- ●自社保有設備・機械のリスト(重機・測量機器等)
- ●2024年問題への対応状況・ICT活用工事への取り組み
数値目標の設定で迷った場合のガイド
数値目標の設定に迷う経営者が多いです。以下の水準を参考にしてください。
| 指標 | 推奨目標水準 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 労働生産性 | 年平均3〜5%向上 | (営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数 |
| 完成工事総利益率 | 現状比2〜5%改善 | 完成工事総利益÷完成工事高×100 |
| 工数削減率(設備投資後) | 20〜50%削減 | 削減後工数÷削減前工数 |
| 資格取得数 | 3年で○名取得 | 計画期間内の目標取得数 |
「取り組み内容」で書くべき水準
取り組みの内容は「抽象的な方針」ではなく「具体的な行動計画」として記載することが重要です。
NGな書き方:「コスト削減に取り組み、生産性を向上させます」
OKな書き方:「令和○年○月までに工事別原価管理シートをExcelで作成し、令和○年○月から毎月第1月曜日の経営会議で工事別粗利率を確認するルーティンを開始する。令和○年○月までに粗利率○%未満の工事は原則受注しないルールを設ける」
8. 変更認定申請・更新が必要なケース
計画の変更が生じた場合
認定を受けた計画の内容を変更する場合(事業の規模・内容・目標値等の変更)は、変更認定申請が必要です。
- ●軽微な変更(担当者名の変更・字句の修正等):変更申請不要
- ●重要な変更(事業内容・数値目標・計画期間の大幅変更等):変更認定申請が必要
- ●申請者の変更(合併・事業譲渡等):事前に認定機関に相談が必要
計画期間終了後の更新
計画期間(3〜5年)が終了した後も、引き続き経営力向上計画の認定を活用したい場合は、新たな計画を策定して再申請することができます。前回の計画の実績を踏まえた「次のステージ」の計画を作成します。
9. 認定支援機関の活用——計画書の品質を上げる方法
認定支援機関とは
「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」とは、中小企業支援の知識・経験を持つとして国(中小企業庁)が認定した機関です。税理士・公認会計士・中小企業診断士・金融機関などが認定されています。
経営力向上計画の作成・申請において、認定支援機関のサポートを受けることで、計画書の品質が向上します。
認定支援機関のサポートを活用すべき理由
- ●現状分析(強み・弱み)を客観的な視点から整理してくれる
- ●数値目標の設定(労働生産性の計算等)を正確に行ってくれる
- ●取り組み内容の記載水準を審査通過レベルに引き上げてくれる
- ●補助金申請・融資申請と連動した計画設計ができる
- ●計画書の様式・記載ルールのチェックで書類不備を防ぐ
🏢 トリガーコンサルティングの経営力向上計画サポート
- ●中小企業診断士が在籍する認定支援機関として計画書を作成
- ●建設業特有の強み・取り組みを的確に計画書に反映
- ●省力化投資補助金等の補助金申請と一体で設計(採択数60件・採択率91%・総額2.1億円)
- ●先端設備等導入計画との組み合わせで固定資産税軽減も設計
- ●政策金融公庫・宮城第一信用金庫との融資相談も一体でサポート
- ●計画認定後の進捗管理・変更申請サポートも対応
10. 経営力向上計画と補助金・融資の組み合わせ戦略
補助金申請との連動設計
経営力向上計画は以下のように補助金申請とタイムラインを合わせて設計することが可能です。
融資との連動設計
経営力向上計画の認定取得後、日本政策金融公庫に「中小企業経営力強化資金」を申請します。通常融資より金利が0.9%低い水準で融資が受けられるため、設備投資・運転資金の調達コストを削減できます。
宮城第一信用金庫等の地域金融機関でも、経営力向上計画の認定を融資審査に活用できます。「国が認定した経営計画を持つ会社」として、銀行担当者の評価が高まり融資条件が改善することがあります。
11. 実際の計画書サンプル(建設業向け)
計画書の記載イメージ(抜粋)
以下は東北の建設業(従業員15名・年商2億円の土木工事会社)を想定した計画書の記載イメージです。
【②現状認識 抜粋】
当社は宮城県○○市を拠点に、公共工事(河川・道路・橋梁)を中心に施工する土木工事会社です。創業○年、従業員○名、年商約2億円規模です。
強み:地域の公共工事入札参加資格(等級A)を保有し、地元自治体・国土交通省との長年の取引実績がある。一級土木施工管理技士○名・二級施工管理技士○名が在籍する高い技術力を持つ。自社保有の重機○台により、外注比率を抑えた施工が可能。
弱み・課題:①測量作業のデジタル化が遅れており、3名が2日間かかる従来測量から、競合他社はドローン測量で1名・半日の作業に移行しつつある。②工事別原価管理が未整備で、どの工事で利益が出ているかを把握できていない(どんぶり勘定)。③冬季(12〜2月)の工事停止時の資金繰り管理が感覚的で、毎年冬に資金繰りが悪化するサイクルが繰り返されている。
【③目標 抜粋】
計画期間(3年)終了時点での目標:①労働生産性を現状比15%向上(年平均5%向上)。②完成工事総利益率を現状○%から○%に改善。③測量工数を現状比80%削減(ドローン測量導入により)。
【④取り組みの内容 抜粋(設備投資部分)】
取り組み:ドローン測量システム(RTK-GNSSドローン×1台、点群処理ソフト、施工管理システム連携)の導入。省力化投資補助金(補助率2/3)を活用し、設備費450万円のうち300万円を補助金、150万円を自己資金で調達する計画。令和○年○月に補助金申請、令和○年○月に設備導入・稼働開始、令和○年○月から全面的に運用する。
12. よくある質問Q&A
13. 経営力向上計画の認定を最大限に活用するための戦略
「補助金加点」×「融資優遇」×「固定資産税軽減」の三重活用
経営力向上計画の真の価値は、単独で活用するのではなく、補助金・融資・税制優遇を「同時に」活用することで最大化されます。
- ●補助金(省力化投資補助金):設備費の1/2〜2/3を補助。経営力向上計画で加点→採択率向上
- ●政策金融公庫の低利融資:基準利率から0.9%引き下げ。補助金立替資金の融資コストを削減
- ●固定資産税軽減(先端設備等導入計画):対象設備の固定資産税を3年間1/2に軽減
例:ICT建設機械2,000万円を省力化補助金(補助率1/2)+政策金融公庫低利融資+固定資産税軽減で導入する場合:①補助金1,000万円、②融資1,000万円(通常より低利)、③固定資産税3年間で約8万円節税(固定資産評価額700万円×1.4%×1/2×3年)。三重の支援で実質的な投資コストを最小化できます。
「経営力向上計画」を「外部CFO活動」と連動させる
トリガーコンサルティングの外部CFOサービスでは、経営力向上計画の策定・申請を経営改善活動の一環として位置づけています。計画書に盛り込んだ「管理会計の導入」「資金繰り管理の強化」「ICT化」は、そのまま外部CFOとして毎月支援する内容です。
経営力向上計画の認定取得 → 計画の実行支援(管理会計・資金繰り・ICT化) → 補助金申請(加点で採択率向上) → 設備投資の実現 → 生産性向上・賃上げ——このサイクルを一体で支援することで、建設業経営者の経営力向上を最短・最確実に実現します。
まとめ
経営力向上計画は申請無料・認定まで30〜60日で取得できる国の認定制度です。補助金加点・融資優遇・固定資産税軽減の3つのメリットがあります。
建設業では「管理会計の導入」「ICT化・省力化投資」「人材育成計画」「財務管理の強化」が計画の主な取り組み内容です。具体的な行動計画と数値目標を盛り込むことが認定の条件です。
省力化投資補助金の申請を予定している場合は、公募開始の2〜3ヶ月前に経営力向上計画を申請しておくことで採択率が向上します。
経営力向上計画は「先端設備等導入計画」との組み合わせで固定資産税軽減、政策金融公庫の低利融資との組み合わせで融資コスト削減と、三重の活用が可能です。
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【この記事の監修】
株式会社トリガーコンサルティング 代表取締役 伊藤翔太
経済産業省登録 中小企業診断士 / 認定支援機関登録
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