親族内継承のメリットとは?注意点やポイント、継承の流れまで詳しく解説!

親族内継承は、企業や資産を家族間で引き継ぐ方法として、長年にわたり多くの成功事例を生んできました。

特に家族経営の企業では、親族内での継承が一般的であり、経営の安定性や継続性を確保するために重要な戦略とされています。

しかし、親族内継承には様々なメリットがある一方で、注意すべきポイントも多く存在します。
この記事では、親族内継承のメリットを詳しく解説し、注意点やポイント、そして継承の具体的な流れについても触れていきます。

親族内継承を検討している方は是非チェックしてみてください!

この記事はこんな人にオススメ!

  1. 親族内継承を検討している企業の経営者
  2. 親族内継承を今後検討している事業者
  3. 親族内継承に関する知識を得たい方
  4. 親族内継承の成功例とリスクについてしっかりと知りたい方
  5. 親族内継承の専門家をつけようか悩んでいる事業者
目次

親族内継承について

今回解説する親族内承継ですが、まず初めに、聞いたことない方に向けて「親族内承継とは何かについて」簡単に説明したいと思います。
既にご存じの方も自分の認識とあっているのかすり合わせの意味も込めて是非ご覧ください。

親族内承継とは

親族内継承とは、企業の経営を家族の中で引き継ぐことを指します。
具体的には、経営者が自身の子供や孫、兄弟姉妹などの親族に事業を譲る形態のことです。

日本においては、この方法が最も一般的とされていますが、成功するためには数年にわたる計画と準備が求められます。
これには後継者の選定やその教育が含まれ、経営者が元気なうちから準備を進めることがとても肝要です。

親族内継承の利点の一つは、経営者が後継者を直接指名できるため、企業の理念や文化をスムーズに引き継ぐことができる点です。
これにより、事業の継続性が保たれやすくなります。

しかし、親族内継承には事前に解決すべき課題もあります。例えば、遺言書の作成や税金対策など、計画的な準備が不可欠です。
最近では後継者不足の問題が深刻化しており、親族内での継承を実現するためには、早期の対策が重要です。

親族内承継と親族外継承の違い

ここからは、「親族内承継と親族外継承の違い」についてお話ししていきたいと思います。

親族内承継の反対に親族外継承も存在します。

親族外承継は、企業の経営を家族以外の人に引き継ぐ方法で、特に後継者が家族内にいない場合や、親族が事業継承を望まない場合に選ばれます
この方法には、会社の従業員、役員、または外部の第三者(投資家や企業買収者など)が後継者となるケースがあります。

親族外承継の最大の利点は、新しい視点や専門的な知識を企業に取り入れられる点です。
外部からの後継者は、新しい戦略や革新的なアイデアを企業に持ち込むことで、業務の効率化や新たな成長の機会を生む可能性があります。

また、経営のプロフェッショナルを迎えることで、企業の競争力が向上することが期待されます。

しかし、親族外承継にはいくつかの課題も存在します。
外部の後継者が企業文化や従業員との関係に馴染むには時間がかかることがあり、その過程で企業内部の調整や支援が必要です。

また、外部の人材が企業に適応するためには、適切な引き継ぎ計画とサポートが不可欠です。

親族外承継は、事業の新しい方向性を模索する際や、経営に専門的な知識を求める場合に適しているが、その実施には綿密な計画と準備が重要。

親族内継承のメリットとは

ここからはメリットについてお話ししていきます。

親族内継承には、多くの利点が存在します。
ここでは大きく3つ

①経済的なメリット
②知識と経験の引継ぎ
③周囲の理解度

に絞って説明していきます。

経済的なメリット

親族内での継承は、外部の投資家や買収者に比べて、通常、経済的に有利な場合が多いです。

まず、企業の売却や外部への譲渡には、時に高額な手数料や取引コストが伴いますが、親族内継承ではこうしたコストが抑えられることが一般的です。

また、経営者が生前に相続や贈与の計画を立てることにより、相続税や贈与税などの節税対策をすることができ、事業の継続性や財務面においてメリットを享受できます。

このように経済的な安定性を維持しつつ、長期的な成長を目指すことができるのです。

知識と経験の引継ぎ

親族内承継の大きな利点の一つは、企業の経営に関する知識と経験を円滑に引き継ぐことができる点です。
経営者が親族に事業を引き継ぐ際、長年の実務経験や業界知識を直接受け継ぐことができます。
これにより、経営のノウハウや重要なビジネス戦略が途切れることなく、企業の運営がスムーズに続けられます。

また、親族内での承継は、経営者が現役のうちに後継者を育てることが可能です。
具体的には、経営者は日々の業務や重要な意思決定に直接関わりながら、後継者にリアルタイムで知識を伝えることができます。
後継者は実践的なスキルを身につけると同時に、業界の動向や顧客のニーズを理解することができます。

さらに、親族内承継は、後継者に対して時間をかけて教育や育成を行うことができるため、長期的な視点での計画が立てやすいという利点があります。
経営者がまだ現役である間に後継者を育てることで、スムーズな移行が可能になります。
また、家族内での経営は信頼関係が深いことが多いため、経営者が事業を引き継ぐ際に発生する摩擦や不安を最小限に抑えられることも大きな利点です。

周囲の理解度

親族内承継を円滑に進めるためには、従業員や取引先に対して後継者を事前に周知することが重要です。

日本では、経営者の子供が事業を引き継ぐケースが一般的であり、この親族内承継の方式は、社内外の関係者にとって理解しやすく、納得を得やすいという利点があります。

親族による承継は、既に築かれた信頼関係と企業文化を維持しやすいため、外部との取引がスムーズに継続できる可能性が高いのです。

親族内承継の注意点

親族内承継は、親族に対して事業を引き継ぐ方法として一般的ですが、成功させるためにはいくつかの注意点があります。
これらの注意点をしっかりと把握し、計画的に対策を講じることが重要です。
ここでは親族内承継における主要な注意点を詳細に説明します。

後継者の適性と能力の確認

親族内承継を行う際には、後継者として選ばれる人物の適性と能力をしっかりと確認することが不可欠です。

後継者が経営に必要な知識やスキルを持っていない場合、事業の持続的な運営が困難になる可能性があります。
そのため、後継者がどれほどの経験を積んでいるのか、また経営に対する意欲や計画性を持っているのかを見極める必要があります。
たとえ後継者が親族だからといはいえ、この確認を怠ってしまうと継承後の企業がうまく存続していけなくなってしまいます。

後継者の教育やトレーニングを計画的に行い、事業運営のノウハウをしっかりと伝えることが重要です。
適切な育成がなければ、事業承継後の混乱やトラブルが発生する可能性が高くなります。

家族間のトラブルの予防

親族内での事業承継は、家族間の関係に影響を与えることがあります。
特に、後継者の選定やその評価を巡って、他の親族と対立が生じることもあります。

家族間のトラブルを防ぐためには、承継計画を透明にし、すべての関係者と充分なコミュニケーションを図ることが重要です。
後継者の選定理由やプロセスを明確に説明し、全員が納得できる形で進めることが望ましいです。

また、家族全体での合意を得るために、専門家のアドバイスを受けることも効果的です。
これにより、承継後の家族間の摩擦を最小限に抑えることができます。

法的手続きと税務対策

親族内承継には、法的手続きや税務対策が欠かせません。

事業の承継には、株式の譲渡、定款の変更、役員の交代など、多くの法的手続きが関わります。
これらの手続きを適切に行わなければ、法律上の問題が発生する可能性があります。

さらに、資産の移転に伴う税務問題も重要です。
相続税や贈与税の問題は複雑であり、計画的な対策が必要です。

税理士や弁護士と相談し、最適な対策を講じることで、税務面での負担を軽減し、円滑な承継を実現することができます。

経営理念や企業文化の継承

親族内承継では、経営理念や企業文化の継承が重要です。

事業の成功は、単に経営を引き継ぐだけではなく、その企業の理念や文化を受け継ぐことにも大きく依存します。
後継者が企業の理念を理解し、それを実践する能力を持つことが、事業の長期的な成功には不可欠です。
そのため、後継者に対して企業文化の重要性を教育し、実際の業務を通じてこれを体験させることが大切です。企業文化の維持は、従業員の士気や顧客との信頼関係を保つためにも重要な要素です。

まとめると

親族内承継の注意点
①後継者の能力をしっかりと把握・確認 適切な教育を行う
②家族間でのトラブル
③法的な手続きと税務対策について
④経営理念や企業文化の継承

上記内容を踏まえたうえで親族内承継は慎重に行っていく必要があります。

親族内承継のプロセス

親族内継承を進めるためには、計画的かつ段階的なアプローチが必要です。
ここからはその主な流れを詳細に説明します。

STEP
後継者の選定と準備

まず、事業を引き継ぐ後継者の選定が最初のステップです。
親族内で後継者となる人物を決定する際には、候補者の能力や意欲、そして事業に対する理解度をしっかりと評価する必要があります。
この段階では、後継者が事業運営に必要な知識やスキルを持っているかどうかを見極めることが重要です。

選定後は、後継者に対して経営者としてのトレーニングや教育を施し、実務経験を積ませることが求められます。
これには数年かかることが多く、経営者としての実力を身につけるための計画的な育成が必要です。

STEP
経営権と資産の移転計画

後継者が決まったら、次に経営権や会社の資産の移転計画を立てる必要があります。
これには、法的手続きや税務対策が含まれます。

経営権を正式に後継者に移すためには、株式の譲渡や会社の定款変更、役員の変更などが必要です。

また、資産の移転には相続税や贈与税の問題も関わるため、税理士や弁護士と相談しながら最適なプランを策定することが重要です
この段階では、専門家のアドバイスなどを参考に進めていくことをおすすめします

STEP
従業員と取引先への周知

経営権の移転が決まったら、次に従業員や取引先に対して後継者についての周知を行います。

従業員には、新しい経営者のビジョンや方針を説明し、彼らの不安を解消するための説明会を開くことが推奨されます。
取引先に対しても、新しい経営者がどのように事業を引き継ぐのか、また事業運営に対する考え方をしっかりと伝えることで、信頼関係の維持が可能となります。
円滑なコミュニケーションを通じて、引き継ぎ後の業務がスムーズに進行するようにすることが大切です。

STEP
引き継ぎ後のサポート

最後に、事業の引き継ぎが完了した後も、経営者としてのサポートを続けることが重要です。

後継者が独立して経営を行う中で、旧経営者としてのアドバイスやサポートを提供することで、スムーズな移行を助けることができます。
このサポートは、経営のノウハウを引き続き提供したり、トラブルシューティングを行うなど、柔軟な対応が求められます。
また、後継者が自信を持って経営を行えるよう、心理的なサポートやフィードバックを行うことも大切です

まとめ

親族内継承は、家族の絆を保ちながら企業や資産を次世代に引き継ぐ有効な方法ですが、成功させるためには計画的な準備と適切な対策が求められます。

経済的なメリットや知識の引継ぎなど、多くの利点がある一方で、法的な問題や相続税の考慮、継承者の適性などの注意点もあります。

継承計画の策定から法的手続き、事業の引き継ぎまで、一貫した対応が重要です。
これにより、スムーズで効果的な親族内継承を実現し、家族と企業の未来をしっかりと築いていきましょう。

当社の強み

トリガーコンサルティングではM&A・事業承継のサポートを行っております。

・事業承継実績は100件越え
中小企業診断士として専門知識と多くの事例に基づく経験
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M&Aや事業承継にお困りの企業様がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。
詳細は以下のページからご確認ください。

最後に

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この記事の監修

株式会社トリガーコンサルティング
代表取締役 伊藤翔太

経済産業省登録 中小企業診断士
認定支援機関登録

宮城県/仙台市を中心に、
東北の経営コンサルティングをしている。
補助金支援や融資支援などの
財務コンサルティングを始め、Googleマップ、
Instagram、公式LINE等の
Web集客コンサルティングを専門領域としている。

当社の特徴

・200社超の経営支援実績
・補助金採択率97%(35件中34件の採択)
・営業損失300万円の会社を3カ月で黒字化達成
・Web集客支援で、月間新規顧客数を0件⇒10件
など、経営改善から売上アップまでのトータルサポートを得意としており、
建設業、運送業、飲食業、不動産業等の様々な業種に対応している。

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