失敗事例から学ぶ!事業承継の失敗事例とその要因・成功させるポイントとは?

事業承継を検討している事業者、会社は近年増加傾向にあります。

そんな事業承継ですが、増加した分、成功した事例も多くありますが、
一方で失敗してしまった事例も一定数あるのも、また事実です。

ですが、過去の失敗から学べることは多くあります。

今回の記事では、「失敗事例から学ぶ!事業承継の失敗事例とその要因・成功させるポイントとは?」と題しまして、事業承継の失敗事例の紹介と、その要因、事業承継を成功させるための方法等をお話ししていきたいと思います。

この記事はこんな人にオススメ!

  1. 事業継承を検討している企業の経営者
  2. 事業承継の方法について知りたい方
  3. 事業承継に関する知識を得たい方
  4. 事業承継の成功例とリスクについてしっかりと知りたい方
  5. 事業承継の専門家をつけようか悩んでいる事業者
目次

事業承継における「失敗」とは

まず初めに、事業承継における「失敗」とは何かについてお話ししていきたいと思います。

・廃業
・自社の業績の悪化
・退職者・離職者の増加
・資金繰りの悪化

今回は上記にある、4つをご紹介していきます。

廃業

まず最初は「廃業」です。

事業承継が失敗に終わってしまった場合、その会社は廃業せざるを得なくなってしまいます。

事業承継によって業績の改善などを期待していたが、結果としてうまくいかなかったなどといったことも事例の中にはあります。

元の状態からの立て直しができないことで、自社の存続が難しくなり、結果として、廃業といった選択肢を余儀なくされるケースも多くはありませんが、実際にあります。

自社の業績の悪化

次に、「自社の業績の悪化」です。

事業承継に失敗してしまうと、自社の業績がさらに悪化してしまう可能性が懸念されます。

事業承継直後の時点で、自社の廃業は免れたとしても、そのまま何も対応の術がなく業績の回復が見込めなければ、結局のところ最終的には、自社の廃業に陥ってしまうでしょう。

退職者・離職者の増加

3つ目は、「退職者・離職者の増加」です。

事業承継の失敗によっておこる事象の1つに、退職者・離職者の増加があります。

事業承継が失敗に終わってしまえば、自社の経営が上手くいかなくなってしまい、業績の悪化などを引き起こしてしまいます。

そんな不穏な空気感は車内にもすぐに充満してしまうでしょう。
そんな空気感では、従業員が自社から離れていってしまうなんて事態にもつながりかねません。

事業承継には、自社の従業員の雇用を今まで通りに守り抜くといったメリットがあるのは事実です。
ですが、それと同時に、事業承継に失敗した場合は、退職者や離職者が増加してしまうということも念頭に入れておくようにしましょう。

資金繰りの問題

4つ目は、「資金繰りの問題」です。

事業承継に失敗してしまうと、資金繰りに問題が生じてしまう可能性があります。
これは、事業承継によって期待されていた業績の改善や、シナジー効果などが見込めないなどといったことが主な原因となっている場合が多いです。

そして、事業承継の失敗が引き起こした資金繰りの問題が影響し、最終的には廃業を余儀なくされるケースも中にはあります。

このような事態も事業承継には起こる可能性があります。
このような事態を避けるためにも、失敗要因をあらかじめ理解しておくようにしましょう!

事業承継の失敗例

ここからは、事業承継の失敗事例をご紹介していきたいと思います。

・事業承継に関する準備不足による社内の混乱
・役員、古参従業員からの反発
・後継者が見つからない
・一線から退いた経営者が実権を譲らない
・親族内でのトラブル
・誰にも相談せずに事業承継の計画を進めてしまう
・後継者の能力不足

今回は上記の7つについて詳しく見ていきたいと思います。

事業承継に関する準備不足による社内の混乱

1つ目は、「事業承継に関する準備不足による社内の混乱」です。

事業承継は、綿密な計画と十分な準備がなくては成功はできません。

この事例での経営者は、健康状態にはとても自信がある方で、まだ現役でやっていくと一体こうを持っている方でした。
後継者を息子にすると決定していたものの、事業承継をどのように進めるべきか、ノウハウなどを伝える準備を怠っていたのです。

役員、古参従業員からの反発

2つ目は、「役員、古参従業員からの反発」です。

とある老舗の小売業社では、外部から招聘した新しい経営者が社長に就任しました。
ですが、役員や古参従業員との信頼関係が築けないという事態に陥りました。

社内でも「親密派」と「反対派」に分かれ、対立してしまうほどでした。

結論、反対側の役員や古参従業員は大半が辞めてしまうといった事態に陥ってしまいました。

そして、その結果、サービスの質が低下し、顧客離れが進んでしまいました。

この事例では、外部からの後継者が企業文化に適応できなかったことが問題となりました。
従業員との対話不足や、企業の歴史や文化を理解する努力が欠けていたため、従業員の信頼を得ることができず、結果的に企業の運営に悪影響を及ぼしました。

後継者が見つからない

3つ目は、「後継者が見つからない」です。

ある製造業の中小企業で、社長が急逝してしまいました。

社長の死は急なことだったため、事業承継の準備が整っておらず、後継者が一切決まっていなかった状況でした。
また、親族、ご子息は後継者になる気は全くなく、外部に対する後継者探しも積極的に行いましたが、見つけられずにいました。

その結果、その企業は混乱し、業績が急激に悪化していきました。
特に、急逝に伴う業務の引き継ぎが不十分であったため、取引先や顧客との信頼関係が揺らぎ、重要な契約を失うこととなりました。

一線から退いた経営者が実権を譲らない

4つ目は、「一線から退いた経営者が実権を譲らない」です。

ある中小企業の社長が引退し、次期社長は息子ということになりました。
ですが、引退した前社長から、現社長となった息子の意思決定に口出しをするようになりました。

このような状況では、実質の決定権を持つのは前経営者であると従業員が判断しても無理はありませんでした。
現経営者は従業員からの信頼を失うこととなってしまいました。

この事例では、前社長が現社長の意思決定に口出しをするといったところが問題でした。
アドバイスを行い、いかに信頼を得て経営を任せるかを考えるべきだったといえます。

親族内でのトラブル

5つ目は、「親族内でのトラブル」です。

ある家族経営のビジネスでは、創業者の息子と娘の間で後継者を巡る対立が発生しました。

創業者は息子を後継者として考えていましたが、娘も強く事業承継を希望していました。
この対立は家族全体に波及し、企業内でも派閥が形成され、組織の一体感が失われました。

この結果、企業の経営が停滞し、業績が悪化。
最終的には、廃業という結果になってしまいました。

こうした相続後の親族トラブルは、実は少なくはありません。
こうした事態を引き起こさないためにも、家族内でしっかりと話し合い、慎重に相続を決めるべきです。

誰にも相談せずに事業承継の計画を進めてしまう

6つ目は、「誰にも相談せずに事業承継の計画を進めてしまう」です。

ある製造業の企業では、創業者が独断で事業承継の計画を進めていました。
自身で手続きを進め、後継者までをも選定しました。

しかし、従業員や取引先、家族にも相談せずに進めたため、承継後に大きな反発を招いてしまいました。
また、その後継者が従業員の信頼を得られず、組織の分裂や業績の悪化を招いてしまいました。

この事例からは、事業承継においては自社の人間・関係者全員とのコミュニケーションが重要であることがわかります。

後継者の能力不足

7つ目は、「後継者の能力不足」です。

ある家族経営の飲食店では、創業者の息子が後継者となりました。
ですが、その息子には経営の経験が乏しく、業務の引き継ぎも十分に行われなかったため、店の運営が滞り、最終的には、そのお店は閉店に追い込まれてしまいました。

この事例では、後継者が必要なスキルや経験を持っていないことが大きな問題となりました。
特に、経営の基本知識や現場の運営に関する理解が不足していたため、従業員とのコミュニケーションがうまくいかず、モチベーションが低下した結果、サービスの質が低下してしまったという結果になってしまいました。

事業承継を失敗させないための対策

ここからは、事業承継を失敗させないための対策についてお話ししていきたいと思います。

・後継者の意思の確認
・社内での意思確認
・早めの引退表明
・事業承継の準備を早めに進める
・事業承継表の計画の作成

事業承継を失敗させないための対策としては、上記の5つがあります。
それでは、1つずつ見ていきたいと思います。

後継者の意思の確認

1つ目は、「後継者の意思の確認」です。

事業承継を失敗させないためには、後継者の意思確認が必要不可欠です。

後継者となる人物が、事業承継する意思が果たしてあるのか、事業承継した後に会社をより良くしようという意思があるのかどうか、などといった点を確認することがとても大切です。

事業承継後も今まで以上に良い会社になるようにここの確認は怠らないようにしましょう。

社内での意思確認

2つ目は、「社内での意思確認」です。

事業承継をする以上、社内の人間全体の協力は必要不可欠です。

一人で手続き等を進めては、失敗例でもお話ししましたが、社内全体の混乱や、社員からの不信感を招いてしまい、最悪の場合、会社の廃業などといった結果を招いてしまう恐れがあります。

事業承継をする際には、必ず社内全体・社員全体で一度話し合ってから実行をするようにしましょう。

早めの引退表明

3つ目は、「早めの引退表明」です。

事業承継を成功させる対策として、前経営者が早めに引退することを表明しておくことも重要な項目のうちの1つです。

失敗要因には「前経営者がなかなか経営権を委譲してくれない」「前経営者が経営に口出しする」などがありました。

早めの引退表明をすることで、「事業承継後は自分に経営権が渡る」という安心感を後継者に与えます。
また、準備期間も十分に確保することができ、事業承継の成功にもつながります。

事業承継の準備を早めに進める

4つ目は、「事業承継の準備を早めに進める」です。

事業承継の成功には、早期からの準備が必要不可欠です。

事業承継には、トータルで少なくとも5〜10年前かかるとも言われています。
そのためにも早めに着手するようにしましょう。

着手する際には、後継者の選定・事業の現状分析・具体的な引き継ぎ計画などを中心に、考えるようにしましょう。

事業承継の計画表の作成

5つ目は、「事業承継の計画表の作成」です。

事業承継を成功に収めたいのならば、事業承継計画表の作成することを強くお勧めします。

事業承継計画表とは、事業承継計画後の目標や、行動などについてまとめたものです。

この準備を怠っていると、事業承継後の混乱を招く恐れがあります。
この計画書をまとめておくことで、事業承継後も慌てることなく業務を遂行することができますし、スムーズに事業処刑を行うことができます。

まとめ

今回は、「二段階買収の手順から、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説!」と題して、

事業承継における「失敗」とは
・事業承継の失敗例
・事業承継を失敗させないための対策

について詳しく説明してきました。

結論としては、事業承継には、時間がとてもかかるため、「早めの決断・しっかりとした準備期間
そして、「社内一丸となって計画を立てる経営者一人でことを進めない」「話し合いなども綿密に行う」などがとても重要になってきます。
事業承継をお考えの方は、ぜひこちらの点を気をつけて行ってください。

本記事が、事業承継を考えている事業者様や事業承継について詳しく知りたい方の助けになれば幸いです。

今回も最後まで閲覧いただきありがとうございました。

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最後に

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この記事の監修

株式会社トリガーコンサルティング
代表取締役 伊藤翔太

経済産業省登録 中小企業診断士
認定支援機関登録

宮城県/仙台市を中心に、
東北の経営コンサルティングをしている。
補助金支援や融資支援などの
財務コンサルティングを始め、Googleマップ、
Instagram、公式LINE等の
Web集客コンサルティングを専門領域としている。

当社の特徴

・200社超の経営支援実績
・補助金採択率97%(35件中34件の採択)
・営業損失300万円の会社を3カ月で黒字化達成
・Web集客支援で、月間新規顧客数を0件⇒10件
など、経営改善から売上アップまでのトータルサポートを得意としており、
建設業、運送業、飲食業、不動産業等の様々な業種に対応している。

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